元町映画館「忘れられない映画に出会う、夏。 夏休みの映画館」One Day講師を務めました。
日本に初めて映画が入ってきたのは、この神戸港だったそうです。
エジソンが発明した世界初の映写機「キネトスコープ」によるものでした。花隈の神港倶楽部で1896年11月に初めて一般公開されたそうです。
元町には小さなミニシアター「元町映画館」があります。世界各国の映画や、ドキュメンタリーなどを観ることができます。娯楽的なものから、様々な社会問題に関するものなど、毎日上映サれていますが、時折、支配人の林未来さんから、子どもたちがご両親と観るのに良いものがあるときにお知らせいただくこともあります。
フードロスについて考えさせられるものなど、今までも会員のみなさんにも告知したりしていました。
普段から「読書」をおすすめしていますが、映画もすてきな文化です。
依頼を受けたのは、映画を観た後にその場で座ったままできるワークショップ!
机もないので工作類はできません。
すでに映画を観た後ですから、できればその感動の余韻を楽しみたい時間です。
はたまた、お腹も空いてランチに行きたいはずだと思い、何をすると良いか、支配人の林さんと一緒に話し合いました。
映画は1980年代にヒットした「ネバーエンディング・ストーリー」です。そこで久しぶりに映画を観てみることにしました。そして思いついたのが、「映画の続きを考えよう!」でした。
続きを考えるには、一生懸命に観なくてはなりません。字幕なので、もし子どもたちが理解できないところがあったら話してあげて良いことにもなりました。
映画のラストに、ファンタージェンという不思議な国が全てを消失させる「無」に消し去られてしまう寸前に、わずか一粒の砂だけが残り、本を読んでいた少年は自由にいくらでも想像して、新しいファンタージェンのお話を作っても良いと、王女である「幼心の君」から言われます。
今回は、一緒に映画を観た人達の手のひらにも、このひと粒の砂が残されたことにしました。いきなり長い物語を創るのは大変です。それで、新しいファンタージェンのことを少しだけ考えてみることにしました。
- 主な登場人物達の性格はどんなふうになっているの?変わったのかな?
- 彼らはどんな暮らしをしているの!?
- 映画を観終わって、新しいファンタージェンの世界で、いちばん幸せになっていてほしいのは誰?
きっとこんな映画の楽しみ方は初めてなのかもしれませんから、まずは私が「子供の心にもどって」作りました。
それはそれはハチャメチャで、奇想天外な登場人物の性格と暮らしを、お伝えしました。
子どもたちだけでなく、かつて子どもだった立派な大人の皆様も、くすくす苦笑いをされていました。
参加してくださった大人のお客様も、一緒になって、手を握って差し出してくださいました。そして一緒にそうっと手のひらを開き目には見えないけど輝いている「ファンタージェン」の砂の一粒を受けとってくださいました。
ワークショップはここで終わりました。ここからは美味しいお昼ごはんを食べながら、親子で、友達と考えた自分だけのファンタージェンを発表しあいっこしていただくことにしました。またお一人で観に来てくださった方も、ご家族やご友人、またSNSでどこかの誰かさんに、こんな話を作ってみたよ!と伝えてみたら、またその方の手のひらに、輝く一粒の砂が届くかもしれません。
原作はミヒャエル・エンデ。映画の監督はウォルフガング・ペーターゼン。もしかしたら彼らもまた、別のお話のネバーエンディングストーリーの最後のひと粒の砂を、手に受けとって創ったのかもしれません。
本も映画も、自分の想像の中で浸ることができる、自由な世界です。
最近、子どもたちの「想像力」がどんどんと減少しているそうです。それはなぜなのでしょう。
本は閉じていても、その中に数え切れない物語が存在します。みなさんが表紙を開けたときに、その物語の登場人物は、読んでいるみなさんとともに、皆さんそれぞれの中で生き始めます。
元町映画館の皆さんは、今回の催しのために、すてきな魔法のかかった?「手紙」も用意してくださいました。
映画をよく観て感じて、観終わってからも想像力を広げて、自由に創造していく楽しい「遊び」を、みなさんもしてみませんか?
学び舎ノビントスは、大切なお子様の
元気いっぱいの一歩を応援します。